交通事故と違反点数

交通事故を起こした場合、3種類の責任に問われることになります。すなわち、刑事上の責任、行政上の責任、そして民事上の責任です。

刑事上の責任は、社会の法秩序の維持を目的とするもので、交通事故を起こした場合、場合によっては加害者に懲役刑や罰金刑が課されるというものです。

民事上の責任は、被害者の被った損害を補填し、主として金銭により原状回復をはかることを目的とするものです。治療費や慰謝料といった損害賠償金を支払うことです。

そしてもうひとつ、行政上の責任です。これは、道路交通の安全確保を目的とするもので、加害者には運転免許が一定の期間停止されたり、重い場合は運転免許取り消しが課されることになります。

この運転免許の停止や取り消しといった行政処分は、違反点数という制度に基づいて行われます。道路交通の安全確保上、問題のある運転をした運転者に違反点数を付加していくというものです。
携帯電話を使いながら運転したり、スピード違反をしたり、酒気帯び運転をしたりする。ということはそれぞれ安全上問題のある交通違反ですが、その問題の重大さに応じて付加される点数が大きくなります。

大型車から原付まで違反に応じた点数は同じですが、罰金は車種によって異なってきます。大型車のほうが罰金は高く、原付のほうが低くなります。

この違反点数は過去3年以内のものが合算され、累積された点数が一定の点数に達すると、免許停止や免許の取り消しということになります。

また、交通事故を起こすと、上の交通違反で付加された違反点数に加えて、点数が付加されます。

さらに、酒気帯び運転での交通事故が社会問題となったことから、酒酔い運転や酒気帯び運転は近年罰則が強化。つまり違反点数が高くなっています。

それでは、交通違反・交通事故を起こした例を見て、行政責任を確認してみましょう。

過去に無事故無違反で来た人が、バイクで25キロのスピード違反と信号無視をした結果、交通事故で全治3ヶ月未満の人身事故を起こしたとします。

この場合、スピード違反で3点、信号無視で2点、合計5点の違反点数に加え、罰金が15000円と7000円の合計となり22000円になります。

さらに、人身事故なので9点の交通事故点が追加され、合計で14点の違反点数となってしまいます。

今まで無事故・無違反だったので、行政処分は90日の免許停止ということになります。

これが交通違反・交通事故の行政上の責任になりますが、かなり重いものだということはわかりますね。もちろん、これに加えて、民事上の責任である損害賠償もありますし、刑事罰もあるかもしれません。

交通事故は一度起こしてしまうと、被害者ももちろんそうですが、加害者も一生を棒に振ってしまうことも珍しくありません。

交通事故の原因となる交通違反は絶対にやめましょう。

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